平時でも非常時でも有効に活用できる「防災設備」という発想
- 祐一郎 石部
- 2025年7月11日
- 読了時間: 3分
~水回りから見える、新たな備えのかたち~
はじめに
災害は、いつ、どこで、どのような形で私たちを襲うか予測できません。だからこそ、「平時から備え、平時にこそ使う」という視点が、現代の防災対策においてますます重要になってきています。
特にトイレや水回りの環境は、被災時の生活の質を左右する極めて大切なインフラです。
私の地元である徳島市渭北地区でも、例えば興源寺の蜂須賀家墓所内の公衆トイレや、吉野川北岸の徳島市民運動広場のトイレなど、その衛生状態や老朽化が問題視されています。特に女性の方々からは、「利用をためらってしまう」といった声を頻繁に耳にします。
また、能登半島地震などの大規模災害では、避難所のトイレ環境が劣悪であることにより、排泄を我慢せざるを得ず、体調を崩す方が後を絶ちません。特に女性や子ども、高齢者など、より配慮が必要な方々に深刻な影響を与えています。
自治体・公共Week2025で見た「平時にも使える防災設備」
今回、私は東京ビッグサイトで開催された「自治体・公共Week2025」に参加し、災害対応の最新技術に触れてまいりました。その中でも、「平時から公園や公共施設で使用し、有事には迅速に避難所に展開できる」製品や仕組みが数多く展示されており、大きな示唆を受けました。
ここでは、水回り分野に絞り、特に有用性を感じた製品を紹介いたします。
1.水循環型トレーラートイレ
平時は公園に、災害時は避難所に
老朽化が進んだ公園のトイレを、このようなトレーラー型水循環トイレに置き換えることで、常時の快適な利用に加え、災害時にも迅速な配備が可能になります。移動式のため、避難所への設置も容易です。
参考製品
【感染予防型仮設トイレ】(インプルーブエナジー株式会社)
https://im-prove-energy.jp/toilet/zonezero/



【自己処理型水洗トイレ「トワイレ」】
いずれも水循環式で、臭いや感染対策にも配慮された設計が特徴です。
2.災害備蓄ランドリー


衛生維持のための新しい「水」の備え
災害時、トイレと並んで問題となるのが「洗濯環境」です。避難生活が長期化する中、衣類やタオルなどの衛生維持が困難になることがあります。
この「災害備蓄ランドリー」は、平時は道の駅などでコインランドリーとして稼働し、非常時には避難所へ迅速に配備することが可能です。
【株式会社FUCO:災害備蓄ランドリー】
「防災=非常時の備え」からの転換を
防災という言葉に「非常時の備え」というイメージを持つ方は多いかもしれません。しかし今、全国的に広がっているのは、「平時に活用でき、非常時にも機能する設備」への転換です。
たとえば、以前ご紹介した「基本料金ゼロの災害用モバイルルーター」や、災害時でも通行可能な道幅を想定した「独立型キャンピングカー(救急車サイズ)」などもその一例です。

能登半島地震以降、日本全体で防災に対する考え方は確実に変化しています。「平時も活かせるインフラ」としての防災機器を整備することで、いざという時に頼れる体制を築くだけでなく、日常の安心・快適にもつながります。
おわりに
地域防災を考えるうえで、「平時でも役立つ」という視点は極めて重要です。公園や公共施設のトイレや洗濯設備を、防災対応型に更新することで、市民の日常の快適性が高まり、同時に万が一の際の安心も確保されます。
徳島市においても、こうした“両利きの備え”を意識し、設備更新や予算編成に取り組んでいく必要があります。今後も現地視察や展示会で得た知見をもとに、市民の皆様の安心・安全に資する政策提案を進めてまいります。



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